NARC通信 第12号

NARC通信 第12号

平成17年12月11日発行

  

高木牛舎の完成

 元東京水産大学教授の高木和徳先生にご寄付いただいたお金で、ラオス農林省畜水産局
に所属するナムスワン養殖開発センターの職員組合が運営している複合農場に牛舎が完成し、
高木牛舎(TAKAGI COWSHED)と名付けられました。現在、複合農場には5頭の牛が飼育され
ています。牛達は昼間はセンター敷地内を自由に歩き回って草を食べていますが、夜になる
と農場を管理しているブンニャンさんが牛達を集めてきて牛舎で寝かせます。牛舎にたまった
牛糞は、周りに植えたマンゴーの肥料や、養殖池の施肥に使われます。牛達が仔子を産んで増
えていけば、職員組合にとって大きな財産となり、職員達の福利厚生が向上して、ひいては養
殖開発センターの運営も安定します。複合農場ではこのほかに豚を3頭と相当数の魚を飼育して
います。ニワトリとアヒルも飼っていたのですが、鳥インフルエンザ騒動のおかげで現在は飼育
することができません。将来はキノコ栽培、バナナ栽培、カエル養殖、焼酎造りなども取り込ん
でいき、資源循環型のすばらしい複合農場にしたいものと夢想しています。

高木牛舎

メンタオ君のカエル養殖

 NARCが学費と生活費の支援をしている、少数民族モン(Hmong)族の青年メンタオ君
NARC通信第1号参照)が、ラオス国立大学農学部畜水産学科で勉強を初めて2年が経ちました。
Higher Diplomaの資格を来年4月に取って卒業するために、今年中に卒論を書かねばなりま
せん。指導教官のすすめもあって、彼は卒論のテーマとしてカエル養殖を選びました。カエル
に餌をやるのに、昼にやるのがよいか、夜にやるのがよいか、の比較試験をやることになりま
した。8月14日に平均体重68グラムのカエルを167匹ずつ6つのコンクリート製水槽に入れ、3つ
の水槽のカエルには昼、他の3つの水槽のカエルには夜、決まった時間に毎日餌をやり、水
槽の掃除や水の交換などの世話をしながら、10月13日まで育てました。その結果、1匹のカエル
も死なすことなく、夜に餌をやったグループは平均体重245グラムに、昼に餌をやったグループ
は232グラムに育ち、夜に餌をやった方が若干成長が良かったという結果が得られました。
実験で育ったカエル約230キロを、1キロ15,000キープ(約150円)で売った結果、最初に仕入れ
た子ガエル代、餌代、労賃などの経費を差し引いても125万キープの利益が出ました。利益は指
導教官とメンタオ君で分配したとのことですが、メンタオ君の取り分がいくらだったのかは教え
てくれませんでした。ほとんど指導教官に取られたのだと思います。
メンタオ君はこの実験でカエル養殖の技術を一応身につけることができたので、ビエンチャンの
約180キロ北にある彼の村(ポンケオ村)で小規模なカエル養殖を始めました。まだ400匹飼って
いるだけですが、今までに1匹5,000キープで50匹を売ったそうです。来年4月に卒業後は村に戻っ
て本格的にカエル養殖をするとのことです。
ところで、メンタオ君はモン族のなかでもモン・カオという支族に属しています。モン・カオは
カエルを食べますが、他のモンは食べないとのことです。一説によると、他のモンは夜カエルの
鳴き声を聞くと死人がでると信じていて、そのため、カエルがたくさんいる平地の稲作地帯に移
住するのを拒んで、山地に住み続けているとのことです。

カエル養殖実験