NARC通信 第16号

NARC通信 第16号

平成18年8月3日発行

  

インドシナ半島横断旅行の思い出(2006年5月16日〜23日)


菅原 悠耕

5月16日:
東京の雑踏の中から出発して6時間、タイのバンコク空港に降り、空港の自動ドア
を抜けると、生暖かい空気が顔を撫で身体の中に入り込んで来るのを感じる。初めて目にす
る街並、風、日差し、心が高鳴り不整脈を他人から分からないようにと言い聞かせる。遺跡
等見学する場所に苦労しないであろうが、食べることが大好きな自分、さてどんな料理が食
べられるか、老いた舌を活動開始。

本日の夕食はバンコク市内見物後、レストランでタイ風シャブシャブのご馳走。材料は日本
で食べる物とほとんど差がない感じ、誰でも食べられる。ただ、スパイスの効いたタレは甘
味が強すぎ、甘辛いよりただ辛いだけの方が美味しい。

食事中、最初に驚いたのは、池ノ上さんが卓上に出した小さなビニール袋に入った虫の唐揚げ
(竹の中に居るいも虫とか)、何処で何時求めたのかまったく知らなかったからである。一度
中国で食べていたので、味は知っていた。まあまあの食感で、中身が少なくスカスカで虫の皮
を食べているようなもの。湿った小女子をたべている感じである。初日にしてこれである。こ
れから1週間楽しみである。
虫スナック専門の屋台

5月17日:
5時45分バンコク中央駅発、ウボンラチャタニ行き特別急行の座席指定2等車で、スリン駅まで
田園の中、延々と6時間あまり。途中の景色の雄大さには目を見張るばかり、車窓外を6時間見
ていてもあきがこないのは何とも不思議。あの乾燥した田園を思うと本当に雨期に田が緑に一
変するのか信じられず、今では新聞欄でバンコクの天気予報を毎日見て心配しています。何時
の日か本当の緑の田園を見ないと信じがたい。車中の昼食弁当は鶏肉の甘辛煮、野菜炒め、結
構美味しい。

スリンでの夕食はタイ料理の食堂にでも行くのかなアーと思いつつ、皆の後を追って歩くうち、
屋台が連なった場所に入り、屋台での夕食。麺、スープ、ご飯、本当に味が良い。特別辛くして
もらった麺は格別である。ここでまた、ゲンゴロウ(メンタ・プタオ)を買って来たのにびっく
りした。食べて味あわなければ分からない。初めて口にするスナック菓子、食感はただただ硬く
味もなし。黒い殻をバリバリ音をたてたて食べる感じだけで美味しい物ではない。黒いのが難点
で色がピンクか紅色でもしていれば、もっと楽しむことができるかもしれない。夕食の帰り道、
露天でまた珍しい虫(黄金虫:メンタ・プワイ)を見つけ20バーツ(約60円)で買う。これは
メンタ・プタオより食感が良く、腹の部分が少し軟らかく噛むと苦味があり珍味である。夜と朝
のスナック菓子かわりに一人で全部食べてしまった。醤油で味付けしてあれば、また絶品なスナック
菓子になることでしょう。果物は安く、非常に美味しかったが、特に青いマンゴーは酸味があり
甘いのより美味しい。帰国してから東京でも買い求めて食べています。

5月18日:
朝8時頃、スリン駅前の食堂で朝食。粥、揚げパン、さっぱり感が口に合う。スリンから鈍行の
3等車でウボンラチャタニへ。車内販売の鶏もも丸焼きは肉質が良く、日本で食べるボソボソした
軟質な物より遥かに美味しいと一人感激する。もう1本食べたいと思うと、社内販売員が手に束に
して持っている鶏串焼が気になる。

昼食はウボンラチャタニのバスターミナルでムクダハン行きのバスを待つ間に食べる。野菜、麺、
スープ、ご飯(竹かごに入ったもち米)。ここでのご飯は噛むと味が出て非常に美味しい。おかず
がなくても3かご分くらい食べられそう。

ムクダハンでタイを出国し、メコン川を舟で渡ってラオスに入国。夕食はメコン川国境の町サバナ
ケットの川岸に建てられた青空食堂。対岸のムクダハンの夜景を見ながら、塩焼き魚(ティラピア)、
ご飯、野菜スープ、ココナッツ生ジュース、ゆで卵。この卵は有精卵でふ化間近まで発生が進ん
でいて、白身と黄身がなく、少し硬くなりかけた白身だったところに血管が通っている卵である。
通常のゆで卵は喉につかえる感覚がするが、このゆで卵は歯当たりが良く珍味というより非常に
美味しかった。2個も食べる。

メコン川畔の食堂

5月19日:
朝6時、サバナケットのメコンホテルを運転手つきレンタカーで出発。朝食はフランスパン製造所
(薪を燃料にしている)で、パンに肉料理をはさんだサンドイッチ。肉料理は甘辛く癖があるが、
こんなところで焼きたてのフランスパンが食べられるとは意外であった。パンで腹を満たし、ハ
イウェイをベトナムのフエ市に向けてドライブである。途中、魚養殖の現場視察。雨期だけで養
殖が可能とは不思議である。また密林帯の中で見学した銅鉱山の採鉱現場も異様である。森林帯
はまことにすばらしい自然で、目に入る村々の生活状況も実際に体験してみたい衝動にかられる。
木炭の生産、焼畑農業が盛んで、森の再生がどうなっているか心配の種が一つ加わった感じがする。

昼食はベトナムとの国境の町で、2時頃レストランらしき店で肉料理、野菜炒め、ご飯。どの料理
も野菜が多く、胃袋も安心して受け入れる。途中休憩した茶店で食べた干し肉はやはり味が良い。
暑い気候のもとでの長期間保存には最高の食べ物で、ハエも嘗めるだけで卵を産み付けることは不
可能な産物です。ベトナムに入国し、夕食はフエ市の一流ホテル(Houng Giang)でエビ料理など
都会風コースであった。

5月20日:
朝食は宿泊したヴィダリバーサイドホテルのバイキング。食後、フエの世界遺産をめぐる一日ボート
観光に出発。昼食は船の中で船頭のおかみさんが用意した手作り料理。魚の煮物、肉の春巻き、
ご飯、野菜炒め。魚は甘辛い味付け(塩焼きのほうがおいしい)。夕食は麺(フォー)。さっぱり
感は日本人向けである。

観光船での昼食


5月21日:
朝食はホテルのバイキング。市内の王宮見物。ホテルから徒歩で4時間近く歩き、皆さんの健脚
にはびっくりした。昼食はトロピカルレストランで肉料理中心のコース料理。一般的な味付けです。
夕方、フエ市からホーチミン市へ飛び、夕食はエビの春巻き、肉炒め、野菜炒め、生野菜で、生野
菜の中にドクダミが入っていたのにびっくりする。匂いは日本のドクダミより弱いように思われた。

5月22日:
朝食はホテルのバイキング。市内の植物園、動物園を見物。帰りは歩いてホテルまでの街並と人々
の生活ぶりを左、右と見ながら。本当に足の丈夫な皆さんである。昼食は繁華街のレストランでラン
チタイム料理。魚フライ、スープ、肉、野菜と都会風料理で特別な感じがしない。町中で買い求め
たスイカ1個10,000ドン(約70円)は町の人に薦められただけあって美味しい。

夕食は有名なレストランではなく、市民に人気があるという町中の食堂で。野菜、肉、スープと、
ここでも町中の料理の味付けは最高である。我々のグループが最後の客であった。9時閉店。

5月23日:
朝食はホテルのバイキング。午前中歴史博物館を、ガイドの勉強中の学生の案内で見物。楽しい思い
出となる。昼過ぎ、空路バンコクへ。昼食は機内食。バンコクではバスを雇って暁の寺院(ワット・
アルン)を見物。夕食はバンコク空港内の食堂で、買ってもらった食券で各自好みの料理を注文する。
閉店間際のため、余り物を一皿余分にくれた。夜行便でバンコク発。24日早朝成田着。

最後に忘れてならないのは、ラオスでレンタカーの手配やガイドをしてくれたボリチャンさんがお
土産として買ってきた、ココナッツ粉をココナッツ汁で味付けしバナナの葉で包み蒸したお菓子。
日本の高級和菓子を思わせるような何とも素晴らしい、ほど良い甘味のある菓子であった。また、
ベトナムへ抜けるハイウェイの途中で訪れたボリチャンの祖母の家で、食料庫から出してくれた
マンゴーも自然な味で美味しかった。今回の食べ物や料理にはすべて現地の名前があるでしょうが、
まったく分からずただただ口に入れて腹を一杯にするだけであった。またの機会に訪れたい3国であ
るが、広告塔もなく町の電柱も木で電線と外灯以外余分な物がないシンプルで自然なラオスに心が
引かれた旅でありました。

行程図

ボリチャンさんのおばあさんの家にて