NARC通信 第19号

NARC通信 第19号

平成19年10月26日発行

  

NARCがNPO法人になりました

NARCが平成19年10月18日付けでNPO法人になりました。正式な名前は「特定非営利活動法人
アジア農山漁村ネットワーク」で、略称が「NPO法人NARC」です。このところ他の団体から助
成金や業務委託費をもらうようになったので、今までのような任意団体では不都合なことが出て
くるかもしれないと考えて、法人化の手続きをしました。具体的な活動自体は今までと変わると
ころはありませんが、法人格を持ったことによって多少は社会的な責任が重くなったと感じてお
ります。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

(池ノ上)

ヴィエンチャン郊外、モン族の村訪問記

足立久美子

平成19年5月初旬に、私、NARCが自立支援をしているボリチャンさんとメンタオ君、それにメンタ
オ君の奥さんジェンさんを加えた4人で、2年ぶりにメンタオ君の村とジェンさんの村を訪問しまし
た(NARC通信第1号、第13号参照)。メンタオ君とジェンさんは少数民族モン族に属してい
ます。

ジェンさんの村へはヴィエンチャンから車で6時間ほど(途中休憩も入れて)かかりました。2時頃
村に到着すると、すぐジェンさんのお兄さん達が昼食を準備してくれました。メニューは鳥と苦
瓜のスープにご飯(焼畑で作ったもち米)でした。食事をいただきながら、最近の村の様子など
を聞きました。村人が資金を出し合って灌漑水路を建設していると聞き、そこを見学に行きまし
た。のんびり村の中を歩きだしたら、まだ雨季が始まったばかりにもかかわらず、雨が降り出し
ました。いつものスコールではなく、日本の梅雨のようなシトシト雨で全くやむ気配がありませ
んでした。雨の中ジェンさんの兄弟と一緒に灌漑水路とそのもとになるせき止められた川を見ま
した。メンタオ君は、ここで網生簀を使って小さな幼魚をしばらく中間育成し、大きくなって外
敵に食べられにくくなった魚を放流する、という養殖のアイディアを考えていました。また、そ
こに居合わせた池を持っている村人から「養殖を学びたい」という声もあがりました。

5時頃に見学から戻ると、3番目のお兄さんの家で夕食をご馳走になりました。メニューは同じも
のでした。雨のため、ご飯を食べると何もすることがないのでボーと外を見るだけです。この夜
はジェンさんの2番目のお兄さんの家に泊りました。モン族の村での初めてのホームステイなので、
私はかなり興奮しました。この村は電気がないので日没後は真っ暗でした。家の中にはベッドが2
つ、炉辺が1つ、お米が入っている袋が1つ、洋服が少し。とても質素でした。シトシト雨音を聞
きながら私は8時30分には寝床につき熟睡しました。ジェンさん達はモン族なので、高床式の家で
はありません。寝るのにベッドを使いますが、モン族は比較的背が小さいので、ベッドのサイズ
も小さめです。ベッドといっても敷き布団はなく布を敷きます。掛け布団は綿入りが4枚ありまし
た。

ジェンさんと甥・姪と2番目のお兄さん

モン族の朝は早く、朝3時30分ごろには一番鶏が鳴きだし、それにつられて次々と鳴きだしました。
家の中にいた1羽の鶏が私達のベットの頭側に止まり鳴き始めました。驚いて目を開けると、既に
ジェンさんのお義姉さんが火を起し始めていました。ジェンさん、ボリチャンさん私は同じベッド
で寝ていて、5時まで誰もおきませんでした。5時に起きてすぐに顔を洗い、朝食(メニューは3回と
もおなじ)をいただき6時30分にはメンタオさんの村に向けて出発しました。

ジェンさんの村から見える山

ジェンさんの村はヴィエンチャン県の中でも遠隔地にあり、道路も未舗装です。昨日からの雨がま
だやまず、道はぐちゃぐちゃでした。予想どおり、スタックした車とトラックが道をふさいでいま
した。もちろん私達のミニバスもスタックしてしまいました。「これでは、このまま野宿か?」
と思いましたが、私達のミニバスの運転手さんは活動的で、スタックした車に指示を出しながら
無事に舗装されたところまで脱出でき、何とかメンタオさんの村まで到着しました。

メンタオさんの村に着いたのは午後2時ごろでした。お父さんとお母さんは待ちくたびれていまし
た。メンタオさんは新しい家を建設中で、まだ20%しか完成していないとのことでした。未完成の
新しい家でお昼ご飯をいただきました。メンタオさんが養殖しているカエルのスープ、鳥のスープ、
アヒルのスープとものすごく豪華な食事でした。メンタオさんが養殖用のコンクリートタンクを
増やしたのでそこを見に行きましたが、雨がひどく地面が滑ってなかなかじっくり見ることがで
きませんでした。

メンタオ君宅の豪華な食事

今回の旅行は雨ばかりで、ほとんど写真が取れず残念でしたが、村の人たちが親切に私達を迎え入
れてくれて本当に感激しました。特にジェンさんの村でのホームステイでは、何ともいえない感覚
を味わい、貴重な思い出ができました。モン語がまったく分かりませんが「また泊りに来なさいよ」
とジェンさんの兄弟に言われてすごくうれしく、また来年も泊りに行こうとボリチャンさんと決め
ました。