NARC通信 第25号

NARC通信 第25号

平成21年5月7日発行

  

ラオス現地実習


東京国際大学国際関係学部国際関係学科3年 高松 龍一
2008年8月6日にNARCの池ノ上さんとラオスで合流し、武石教授と学生4人による現地実
習が始まった。実習の目的は、(1)ラオスの大学生と交流すること、(2)ラオス農村地
帯の状況を見聞すること、(3)ラオスへのわが国ODAの現状について知ること、の3つで
ある。

8月7日
朝、ラオス国立大学で元気の良い9名の学生(環境保全啓蒙活動をしているボランティ
アグループ)と先生が出迎えてくれた。彼らと、ヴィエンチャン県フアン郡にある、
ダム建設によって水没する村の住民を移住させる新しい村の建設現場を見学した。広
大な敷地に約1,000軒の高床式住宅が建設中で壮観だった。次にリゾートとして外国人
に人気のあるバンビエンに向かった。バンビエンでは、ラオスの学生と同じ部屋に泊
まった。夕食をとる前にはもう打ち解けて、国境を越えてもやはり同じ大学生だと実
感した。

8月8日
朝食後バンビエンを出発し、ナムスワン養殖開発センター(NADC)職員のメンタオさ
んの案内で彼の実家がある少数民族モン族のポンケオ村で養殖の現場を見学した。初
めて見る養殖現場は、とても興味深いものだった。カエルやナマズなどが養殖されて
おり、村に養殖が根付いていることを確認した。その後、JICAの養殖技術協力プロジェ
クトが行われているNADCを訪問した。NADCでは職員がラオス伝統のバーシーの儀式で
歓迎してくれた。我々の旅の安全や将来の幸運を祈る言葉とともに、白い糸を手首に
たくさん結び付けてくれた。儀式のあとはNADC職員、ラオス国立大学学生、JICAプロ
ジェクトを実施している日本人専門家、センターで卒論を書くための実験をしている
日本人学生などを交えたにぎやかなパーティーとなった。カエルやコオロギの料理が
出てびっくりしたが、恐る恐る食べてみると意外においしかった。この日はNADCに泊
まった。

8月9日
NADCの活動とJICA養殖プロジェクトの説明を受け、NADC付属の複合型養殖農場で体験
農作業をした。牛の糞を原料にしたメタンガス発生装置を使って夕食のカレーを作り、
メンタオさん夫婦と食べた。夜は、NADCで実験をしている東海大学の学生や東京大学
の大学院生と一緒に楽しい時間を過ごした。

8月10日
メンタオさん夫婦が昨日のお礼に朝食を作ってくれ、バッタのから揚げなどを、もち米
(カオニャオ)とおいしく食べた。ラオス国立大学の学生と再び合流し、ヴィエンチャ
ン首都圏ナーサイトン郡のポントン村で、田んぼの生き物調査に参加し、村の小学生と
一緒に田んぼで水生生物の採集をした。蛇やサソリなども採集され少しびっくりしたが、
自然豊かなラオスをうらやましく思った。村人へのインタビュー調査でラオス国立大学
学生が、家族構成や田んぼの水生生物の利用状況などについて細かい情報を収集してお
り、現場調査の大変さを実感した。その後NADCに戻り、水生生物を仕分けして写真を撮っ
た。生物の種類も量も多かったので大変だったが、色々の生物を見ることができ興味深
かった。作業のあとヴィエンチャンに帰った。


ポントン村でラオスの学生と一緒に活動


ポントン村で活動終了後記念撮影

8月11日
午前中、JICAラオス事務所でJICAの活動についてブリーフィングを受けた。その後ラオ
ス国立大学の学生がショッピングセンターを案内してくれた。午後、乗り合いの車で国
境を越え、タイのノンカイで夜行列車に乗りバンコクへ向かった。

実習に参加したメンバーの一言

那須野史織(国際関係学部1年)
最も思い出に残っているのは、バーシーの儀式。1人1人が今後の私について願い事を
言ってくれながら手首に白い糸を付けてくれたことに、とても感動した。日本では、目
の前で願い事を言われることも、言うこともほとんどなかったので嬉しかった。その場
にいる皆が笑顔になれるこの儀式を、ラオスのとても良い文化だと思った。

池田祐佳(国際関係学部1年)
ラオス国立大生との交流により、ラオスでは充実した日々を過ごせた。ラオスの人々の
優しさや寛大さを感じることが出来たし、若者の行くところなども知ることも出来た。
お互い自国の言葉を教えあった事により、日本語教員になるための勉強への学習意欲が
高まった。ラオ語を学び、ラオ語で会話をしたい。

内田明希(国際関係学部2年)
ラオス国立大学の学生たちは本当に優しく明く、コミュニケーションもスムーズにとる
ことができ、充実した実習を行うことができた。歓迎会の時に歌やゲーム等を用意して
いたり、小学生への啓蒙活動では自作の紙芝居で環境教育を行ったりと、その能力の高
さに感心した。水田の生き物調査やインタビューでは、補佐的なことしか行えなかった
のが残念だったが、バーシーの糸が解けてもラオス大の皆と繋がっていきたい。

高松龍一(国際関係学部3年)
何か一つでも自分にプラスになることや興味の持てること、研究の対象になることが発
見できたらと思いこの実習に参加した。そしてラオス国立大学の学生と出会い、彼らと
コミュニケーションする中で、文化や歴史や言葉などが違う人達と行動をする楽しさ、
お互いを理解することの大切さを学んだ。今後はラオ語を勉強し、ラオスを対象として
彼らと共に研究をしたい。