NARC通信 第7号

NARC通信 第7号

平成16年7月5日発行

  

ラオス骨董事情調査旅行

「ラオスにどんな骨董品があるかを探るため、4月2〜9日にラオスを訪れました。
ラオスは周辺諸国に比べるとまだ骨董品業者などに荒らされてないので意外な掘り出
し物があるのではないかという期待があったからです。メンバーは骨董陶磁器、とく
に中国陶磁器に豊富な知識と経験をお持ちの鈴木敬二さんと池ノ上で、現地ではNARC
連絡員のボリチャンさん(NARC通信第1号参照)が通訳兼ガイドとして同行しました。

ビエンチャンでは街なかの骨董店と骨董を扱っているみやげ店、それにタラート・サオ
(朝市)に出店している骨董店をできるだけ多く訪れました。しかし、期待に反して
面白い骨董品はまったく見つかりませんでした。スンコロク(宋胡録、タイ国産の古
陶、江戸初期に日本に渡来したものは香合などに賞用された)を陳列しているみやげ
店は何軒かありましたが、品質が良くないうえに、日本でのスンコロクに対する評価
が下がってしまったこともあって、掘り出し物といえるようなものではありませんで
した。鈴木さんは骨董店の片隅に無造作に並べられている、磨製石斧の方が陶磁器よ
り面白いといって何個か購入されました。

次に北部の旧都ルアンパバーンを訪れました。ランサン王国の首都だった町で文化遺
産や宗教遺産が多いところなので、掘り出し物の骨董が見つかるのではないかと期待
しましたが、みごとに裏切られました。ルアンパバーンの骨董店でも何軒か磨製石斧
を売っている店がありました。仕入先を聞いたところ少数山岳民族のアカ(イコー)
族の連中から仕入れるのだと言っていました。ナイトバザールではモン族の人々がい
くつかずつ磨製石斧を並べていました。なかには非常にきれいに磨き上げられた美し
い石斧もあり、コレクションの対象として楽しそうなものでしたので、一生懸命に値
切り交渉をして何点か購入しました。

ラオスの骨董店やみやげ店に共通していえることは、店の人が骨董に関してほとんど
なんの知識も興味も持っていないことと、一生懸命に売ろうという姿勢がないことで
す。そこがラオスの良さでもあるのですが。帰りに寄ったバンコクで鈴木さんはラオ
スで探していて結局見つからなかったクメールの彫刻(砂岩で彫った僧侶の頭部)を
購入しご機嫌でした。バンコクの骨董店の売り子はまだ若い女性でしたが、一生懸命
に売ろうという姿勢とそれなりの骨董に関する知識を持っているようでした。


ルアンパバーンの骨董店


ラオス点描---ロケット祭り---

4月初旬にラオスを訪れたとき、たまたま通りかかったビエンチャン県の村でロケット
祭りをやっていました。ロケット祭りはブン・バンファイと呼ばれています。ラオス
でも地方地方でいつブン・バンファイをやるかは一致していないとのことです。通り
かかった村ではラオス新年(ピーマイ・ラオ、水かけ祭り、4月中旬に行われる)の直
前にやる慣わしになっているのでしょう。

派手に飾り付けられた長さ5メートルくらいの竹製のロケットが次々に打ち上げられて
いきます。女装した男や、妙な化粧をした女たちが踊ったり笑い転げたり、まさに無礼
講のお祭り気分です。もちろん酒もたっぷり振舞われているようでした。ブン・バンファ
イは仏教の祭りではなく、天の竜に十分な雨を乞う祭りであるといわれています。なぜ
男たちが女装をするのかを聞きましたが、わからないということでした。


打ち上げを待つロケット



NARC勉強会と講演会

4月22日、5月28日、6月28日に毎月1回の勉強会を轄総ロ水産技術開発で開きました。

これまでに引き続き、
Townsley, P. 1993. A Manual on Rapid Appraisal Methods for Coastal Communities.
Bay of Bengal Programme. 109p.
の輪読をし、5月28日についに読了しました。

このマニュアルは工場、ファーストフード店、テーマパークなどで使われているマニュ
アルとは違い、述べられている考え方やテクニックに忠実に従うということを求めるも
のではありません。書かれている内容を自分なりに咀嚼し、状況に応じて変更や改良を
加えたうえで、調査現場で使うことが求められています。基本は、調査や活動計画作成
の中心に現地の人々を置くということで、そこはきちんと抑えておかねばなりません。
あとは実際に本書で述べられているテクニックをいろいろに応用しながら使い、経験を
重ねることによってテクニックに熟達することを通じて、より良い調査ができるように
努力するしかありません。

6月28日からは、
大野昭彦. 1998. 農村工業製品をめぐる市場形成-----ラオスにおける手織物業-----.
アジア経済 39(4). 2-20.
の輪読を開始しました。これはラオスで織られているシン(巻きスカート)の機織業が
どのように組織され、生産されたシンがどのように市場に出荷されているかを現地調査
したもので、いろいろ興味深い論点を含んでいる論文です。

鈴木敬二さんの講演会
5月7日にNARC事務所において、ラオス骨董事情調査に行っていただいた鈴木敬二さんに、
東南アジアにおける骨董陶磁器の基礎知識について講演していただきました。実際に鈴
木さんが所蔵されている「スンコロク」や「染付け」などをサンプルとして持ってきて
くださり、東南アジアおよび中国の陶磁器の歴史や、良い品を見分けるコツについて興
味深いお話をしてくださいました。



禅寺での里山保全活動

昨年まで3年半にわたって日本ボランティアセンター(JVC)のボランティアとして、ラ
オスのビエンチャン県で農村開発計画にたずさわっていた小川道夫さんが、今年の3月か
ら千葉県袖ヶ浦市にある真光寺という曹洞宗の寺で里山保全や農業生産の活動を行って
います。循環型生産、地産地消、旬産旬消といった、アジアの農山村でも行われている
小規模農林生産活動を体験するための場を提供するというのが、寺や小川さんが考えて
いることのひとつです。佐野幸輔と足立久美子は5月の連休前後に寺に行き、農作業の手
伝い、竹の子掘り、禅などを体験しました。足立はレモン、スダチ、ハッサク、ユズの
苗木を山に植えました。

池ノ上は5月下旬に寺に行き、千葉の臨海コンビナートからわずか10キロくらいしか離れ
ていないところにこんなにひなびた農山村があったということに感銘を受け、寺の畑の草
取り、竹の子掘り、禅をやらせてもらって、すっかり真光寺が好きになってしまいました。
6月下旬には大学時代の友人と寺に行き、山の草刈り、畑への草花の植え付けの手伝いをし、
ハッサク、レモン、スダチの苗木を植えました。そして夜はホタルの乱舞を楽しみました。

一泊2,000円で自炊ですが、布団やシーツ類もちゃんとあり、風呂も完備しています。和尚
さんにお願いすれば禅の指導を懇切丁寧にやってもらえます。ご希望の方は小川道夫さん
(mitimiti@wonder.ocn.ne.jp)にあらかじめ電子メールで日時をお問い合わせのうえお出
かけください。



小川道夫さんのラオスでの活動記録が小冊子になりました

小川さんの3年半にわたるラオスでの農村開発支援ボランティア活動記録が小冊子になりま
した。農山村支援に関する反省や考え方なども率直にのべた興味深い冊子です。途上国での
ボランティア活動などを目指す方にはぜひ読んでいただきたいものです。ご希望の方は
ikenouehiromu@nifty.com まで電子メールでご注文ください。代金は小冊子代500円と郵
送料140円の合計640円です。

小川道夫著 「ラオスでの農村開発ボランティア活動の記録」
A5版、24ページ。NARC発行。